軋んだ原因は私ではない。
だって動いていないのだから。
つまり軋んだ理由は───
「……動くな」
振り向いて確認しようとしたけれど、その前に制されてしまう。
『動くな』と言った雪夜の声がすぐ近くで聞こえた。
「な、に…」
落ち着いていた空気が危険なものへと変わる。
雪夜に脅しに近い口調で言われたため、私も動かずその場でじっとした。
そんな私の髪を雪夜は自分の手で横へと流す。
髪が首に触れるとくすぐったいため、その度に肩がピクッと動いた。
「雪夜、何して…ん」
読めない行動に対して不思議に思っていると、雪夜が私の首筋にキスを落としてきた。
それも彼自身が痕をつけてきた位置と同じだ。
「ひゃっ…」
祐樹とまったく同じことをしてくる彼。
もしかして、首筋に舌を這われていたところはまだ見られていたのだろうか。
「お前って誰にでもそんな反応すんの?」
感情の読めない声にゾクッと体が震える。
彼が今無表情であることは容易に想像できた。



