「雪夜、着替えたよ」
「……ああ」
着替え終わると、部屋の外にいる雪夜に声をかけに行く。
雪夜はスマホをいじるわけでもなく、ただ腕を組みぼーっとしていた。
その姿だけでも絵になるのだからずるい。
その時に銀髪ではなく、案外黒髪も似合いそうだなと素直に思った。
茶髪だとチャラそうに見えるからダメだ。
「寒くないか?」
部屋に入るなり、私を気遣う言葉をくれる雪夜。
その優しさがどこかむず痒い。
「寒いって言ったら?」
正直適温だったけれど、なんとなく聞いてみた私。
「暖房の温度上げる」
「それだけ?」
「……他に何があんだよ。カイロでも欲しいのか?」
満足のいく回答が得られないため、不服に思う。
そんな言葉が欲しいのではない。
「祐樹はブレザーを肩にかけて暖かくしてくれたのにな」
ここで祐樹の名前を出す私も私だったけれど、その後の雪夜の反応に期待していたのかもしれない。



