慣れた様子で和服を着こなす雪夜。
その時にまたあの和彫りが見え、悔しいけどやっぱりかっこいいなと思ってしまう。
「……着替えよ」
落ち着いた雰囲気を纏う雪夜に少し違和感があったけれど、不機嫌でないのは確かで。
ただ気まずいため、ぼーっとせずに私も着替えようと思った。
どうせ雪夜も気にしていないだろうと思い、洗面所や他の空き部屋に行くことはせずここで着替えることにした。
リボンを解き、シャツのボタンを外しながら立ち上がってキャリーケースの中にある長袖の服を手に取る。
季節は冬で寒いため、長ズボンもキャリーケースから取ったところでふと人影を感じた。
「普通ここで着替えるか?」
「……っ」
ほんの一瞬だったけれど思わず息を止めてしまった。
突然雪夜が後ろから抱きしめてきたからだ。
「べ、別にいいでしょ」
「せめて俺に部屋から出て行けって言えよ」
「だって雪夜も私の前で着替えてた」
「男だからいいんだよ」
ここで“男は”って、そんなの差別だ。



