危険な愛に侵されて。




それから私たちは電車に乗り、雪夜の住む家へと向かう。

相変わらず神田組の本部である家は大きく、そして圧があった。


これほど大きければいつ狙われてもおかしくないのだけれど、セキュリティーがしっかりしているのだろう。

容易に敵が近づけないようになっている。


雪夜曰くここの周辺の土地は神田組が買い取っており、簡単に狙える場所ではないのだという。


「はぁ、疲れた」


電車に揺られていた時も、家に向かっている時も。

特に雪夜の機嫌が悪いわけではなかったけれど、ふたりの間には沈黙が流れていた。


雪夜はまったく気にしていなさそうだったのに対し、私は気まずいと思っていて。

結果、雪夜の部屋に着いた頃にはだいぶ精神的に疲れ切っていた。


そのため真っ先に雪夜のベッドに腰をおろす。

けれど雪夜は私のほうを向く様子はなく、鞄を置いて制服を脱ぎ始めた。


どうやら和服に着替えるらしい。

神田組は位の高い人たちが和服を着るようで、他の人たちは黒服姿。


雪夜は若頭の補佐ということで、結構上の位であるらしいのだ。