「い、いや……本当にさ、イケメンすぎて心奪われちゃった…!」
慌てて笑顔を浮かべ、食い気味に話すとなんとか誤魔化すことができた。
「やっぱり〜!さすがはイケメン好き!」
「だって銀髪ってやばくない!?先生の危険って意味がわかったや〜」
あいつは危険だと今すぐ言ってやりたい。
私の両親を殺したやつだと。
中学の幼い時に、私の両親を出血多量で死ぬまで手をかけたというの?
何を考えてるんだ、命をなんだと思っているんだ。
ふたりの尊い命を奪った雪夜涼雅に───
生きる価値なんて、ない。
「まーた静がなんか言ってるなぁ?」
「うるさいわねっ!あんたは普通の顔なんだから黙ってなさい!」
「はぁ!?ふざけんな、お前はブスだからな!?」
少し離れた席から私に突っかかってきた男子がいて。
そいつは一応小さい頃からの幼馴染である、渡辺 祐樹(わたなべ ゆうき)。
私の両親が亡くなった直後はずっとそばにいて支えようとしてくれたけれど、今はもういつもの騒がしい関係に戻っている。



