「ち、違うよ…これは虫刺されで」
「その静の言う“虫”が涼雅だろ」
言い逃れしようにも、どうやら祐樹に対してはできないらしい。
「だからちが……」
それでもすぐに認めるのは恥ずかしいというか、なんだか嫌で粘ろうとしたけれど。
ふと祐樹が顔を上げて校舎に視線を向けていたことに気づいた私。
「祐樹?」
気になって私も祐樹の視線をたどり、校舎に視線を向ければ───
「……っ」
なんと校舎の三階の窓から、雪夜が私たちを見ていた。
片手にはパックのジュースがあり、無表情でこちらを見ているから怖い。
そこには感情がないように思えて、つい視線を逸らしてしまう。
「……ちょうどいい」
その時ボソッと祐樹が何かを呟いたけれど、上手く聞き取れず。
「何もしないで終わるのは嫌だから」
「……ひゃ」
気づけば祐樹が近づいてきて、止める暇もなく首筋に柔らかな唇を当ててきた。
それも雪夜とまったく同じ場所に。
「ゆ、き……まっ」
思わず手で口元を覆う。
そこにキスを落とした祐樹だったけれど、今度は舌を這わせてきたのだ。



