「担任からの呼び出し。
放課後でもいいって言ってたけど、今行く?」
けれど祐樹は笑わず、落ち着いた雰囲気で話を進める。
「呼び出し…私と祐樹が?」
「まあ俺たち担任から目つけられてるな。雑用の押し付けか何かだろ」
違うと思った。
祐樹がいつもと様子が違う。
きっと、先生に呼び出されたから仕方なく私に話しかけているとでもいうような。
「どうする?」
「……っ、すぐ着替えてくる!」
このまま勢いに乗って、今話すべきだと思った。
過去の話はできなかったとしても、今まで私のそばにいてくれた祐樹に感謝の気持ちを伝えて。
それから謝る。
祐樹とこのまま終わるのは嫌だって、わがままを言う私を彼は許してくれるだろうか。
許してくれなくてもいい。
伝えずに終わるよりかはずっと。
私の中で祐樹の存在は大きかったって。
慌てて更衣室に入った私は、自分の荷物が置いてある場所に向かう。



