危険な愛に侵されて。




私たちのクラスのドアは開いており、中から男子の騒がしい声も聞こえてくる中。

祐樹もいるのだろうかと思い、恐る恐る中に入る。


真っ先に探してしまう祐樹の姿。
寝坊していない限り、この時間にはもういるはずだ。

そして祐樹の席を見れば───



「……っ」


彼の姿がそこにはあった。
いつものように男子たちと笑って話している。

クラスの中でも人気者の祐樹の周りには、人が集まっていた。


つい彼のほうを見て足が止まってしまう。

そんな私の視線に気づいたのか、彼が私のほうへと視線を向けてきて───



「……不自然」
「し、知ってる…!」

また目を逸らされるのが怖くて、自分から背けてしまった私。


祐樹がどのような表情をしているのか、もうわからない。


「バカだな」
「だ、だってそんなの…」

「きっかけがあったら逃げんなよ?」


周りの視線もあるため、私しか聞こえないくらいの大きさで話した後。

雪夜は先に自分の席へと向かう。