「……っ」
柔らかな雰囲気を纏う彼に、ドキッと胸が高鳴って。
やっぱり雪夜の幼い表情にはしばらく慣れそうにない。
「そんな笑って、寝ぼけてるの?」
今の気持ちを隠すように、雪夜の片頬をつまんでやる。
「……多分、まだ寝れそう」
「何言ってんの。早く準備しないと遅れるよ」
「お前と一緒に遅刻する」
「バカなの?ほら、起きて」
最後に頭をわしゃわしゃ撫でて、雪夜から離れてやる。
少し不服そうな顔をしながらも、ようやくベッドからおりてくれた彼。
「ねぇ、堂々と脱ぐ?」
「あ?」
すると雪夜は、女の私がいる前でも平気で服を脱ぎだした。
そのため上半身裸の姿が視界に映る。
筋肉質な体つきは相変わらずで。
見惚れるような和彫りがまた、私の視線を奪う。
「別にいいだろ、お互い初めてじゃねぇし……って、お前こそジロジロ見んなよ」
怪訝そうに眉をひそめながら私を見る雪夜。
けれど仕方がない。
彼の和彫りはやはり美しいと思うから。



