危険な愛に侵されて。




「へぇ、銀髪以外のあんたって想像できないかも」
「こう見えて最近黒髪にしてたんだぜ」

「黒髪?そうなの?」


確かに雪夜の顔なら黒髪でもかっこよく、似合うことだろう。

ただ今よりも大人しめの、幼い感じに見えるかもしれない。


「ああ。案外大変だったんだからな。
なかなか黒に染まらねぇし」

「色抜いてるからね、仕方ないんじゃない?
大人しく銀髪にしとけば?」


本人が黒髪にしたいと言うのなら止めはしないけれど、無理して黒にする必要もない。



「お前は銀髪の俺がいい?」
「……は?」


どうしてそんなこと私に聞くのだ。
雪夜の髪なのだから、自分で決めればいい話。


「どうして私基準なの?」
「お前が好きな髪色にする」

「何バカなこと言って…好みなんて別にない。
好きな色にすれば?紫でも緑でも、なんでもどうぞ」


自分のしたいようにすればいいのだ。


「……俺、お前のそういうところ嫌いじゃない」
「え…」

その時雪夜が目を細め、どこか嬉しそうに笑った。