「……ひゃ」
完全に油断していた。
雪夜が昨日つけてきたキスマークの部分に触れてきたのだ。
くすぐったいため、思わず肩がビクッと跳ねる。
「ん、ちゃんと赤くなってる」
「こんなことしてバカじゃないの」
「俺のものって証。結構重要」
「独占欲の塊ね」
「認める」
「認めるなバカ」
クスクスと笑い、寝起きの彼があどけない表情を見せる。
そんなかわいい表情もできるんだって、朝から心臓に悪い。
「……色、抜けてきたね」
高鳴る胸を隠すように銀色の髪に手を伸ばす。
銀の色はだんだんと抜けており、そろそろ染め直さないといけないところまできていた。
「そうだな」
彼も自分の髪に触れ、また幼く笑った。
「だいぶ傷んでる。
銀髪やめようかな」
だからその表情がいちいち心臓に悪く、キュンとしてしまうからやめてほしい。
それに幼い表情はその銀髪に似合わない。



