そして次の日。
朝から私は格闘していた。

その相手とは、今もまだベッドから起き上がろうとしない雪夜と───



「雪夜、起きてってば」
「ん…」

「さっきからそんな返事ばっか」


肩を揺すって何度も起こすけれど、雪夜はまったく起きる気配がない。

適当な返事だけして、また目を閉じ眠ってしまう。


「もー、あんた起こしてる場合じゃないのに」


朝起きたら、昨日のことが思い出されて。
なによりも祐樹とのことが不安だった。

もし会ったらどんな顔をすればいいのか。
避けられるかもしれないと。


それなのに───


「じゃあまだ起きねぇ…」
「わっ、ちょ…制服がシワになる……!」


準備を終えた私の腕を引っ張ってきたため、自然と雪夜のほうへ倒れ込んでしまう。


「雪夜、離して」

寝起きなのに力は相変わらず強い。

そのため背中にまわされた手を引き剥がすことはできなかった。