危険な愛に侵されて。




「……かわいい顔して」


寝顔がかわいいため憎めない。
今の彼は高校生以上に幼くて。



「雪夜様は眠られているのですか?」

じっと飽きずに見つめていたら、運転席から宮木さんが穏やかな口調で質問してきた。


「はい、寝てしまったようです」

なんだか幼い雪夜がかわいいと思ってしまい、つい頭を撫でながら質問に答えた。



「そうですか。とても珍しいですね」
「珍しい…ですか?」

「はい。我々組では、雪夜様は普段から眠らない人で通っています」

「不眠症、ですか?」


そうとしか考えられない。

けれどそれなら普通、不眠症と言うだろうと思ったため聞いてみることにした。



「……おそらく夢に出てくるのでしょう」
「え……」

「雪夜様は過去に縛られております」


声音、トーンは相変わらず同じままだったけれど。
何やら引っかかる回答をする宮木さん。



「過去、ですか…?」

「はい。そのため、こうして少しの合間に眠ることすら珍しいことです」


信号が赤になり、車がとまる。