「何見てんだ?」
雪夜の声が耳に届き、またぼーっと過去を思い出していたことに気づいた。
慌てて写真を隠し、キャリーケースを閉じる。
「……何隠した?」
「な、何も!準備できたから行く!」
明らかに不自然だったけれど、なんとなく雪夜に話すのは気が引けるため、このまま貫くことにした。
「おい、歩くの速い」
「早く出てよ、鍵閉めるから」
雪夜は怪しそうな視線を向けて来るけれど、それ以上追求してくることはなく。
彼はキャリーケースを車のトランクに入れてくれた後、降りる前と同じように後部座席に座った。
私も迷わず彼の隣に乗り込んだけれど、頭の中は“祐樹”と“すずくん”のことで占められる。
お互い口を開くこともなく、車が走り出す中。
窓の外をぼーっと眺め、しばらく経ったところで突然肩に重みを感じた。
「……雪夜?」
それを確かめようとしたら、なんと雪夜が先ほどと同じように肩に頭を置いてきて。
さらに今度は目を閉じて眠り出したではないか。
本当に自由な人間だ。



