「じゃあ入ってきてー」


危険なイケメンと言われて戸惑いはあったけれど、イケメンであることに変わりないだろうと思い、みんな一斉にドア付近に視線をやる。


そして開けられたドアからひとりの男子生徒が入ってきた時───



まるで全身が石のように固まり、息をするのさえ忘れてしまった。


電気に反射し、キラキラと輝くのは銀色の髪。
その髪色に見覚えがあって。



「わー、イケメンだ…」
「すごくかっこいいじゃん!」


咄嗟に自分の手で口元を覆う。



嘘だ、そんなことあり得るはずはない。
今教室に入ってきたのが───



復讐相手の“雪夜涼雅”だなんて。



信じたくはないけれど、間違いない。

切れ長で二重まぶたの目は特徴的で、睨みつけられたら鋭い目つきへと変わる。


鼻筋もスッと通っており、薄い唇に顔の輪郭だって理想もの。



「名前は雪夜涼雅くんね。
どう?すごいイケメンでしょ!」

「……先生が自慢気に言ってどうするんですか」


先生も少し興奮気味のため、雪夜涼雅が思わず笑みを浮かべていた。

その笑みで教室内は静かになり、多くの生徒たちが彼に見惚れている。