危険な愛に侵されて。





この写真の男の子は常に弱気で、私の後ろにずっとついてきて。

それからいつも、何かに怯えていた。


「……あ」


思い出した。


すずくんはよく、身体中に痣があったことを。
それも服などに隠れる部分がほとんどで。

初めて見た時は子供ながらに絶句したのを覚えている。


その痣を見られたすずくんは全身を震わせていて、目に涙をいっぱいためていて。

『おとちゃん、苦しい。怖い』と、確かに訴えてきたのだ。


今思えば目を背けたくなるような、悲痛な叫び。



───すずくんはお母さんとふたりで暮らしていた。

お父さんとは別居しているらしく、そこで私と祐樹は知り合い、気づけば仲良くなっていて。


いわゆる幼なじみの関係だった。

どうして忘れていたのだろう。
いや、無理矢理過去の自分を忘れようとしていたのだろう。


すずくんのことは、決して忘れてはいけない過去だというのに。