危険な愛に侵されて。




「お前って本当かわいくねぇ女だよな」
「かわいげなくてごめんなさいね」


睡眠薬をすべてキャリーのポケット部分に詰め込み、その写真が気になった私は迷わず手を伸ばす。

そして写真を視界に入れたその時───


「……っ!?」

息をするのを忘れ、とっさに手で口元を覆ってしまった。


写真を持つ手が震える。

過去の記憶が一気に蘇ったかのようで、頭痛までしてきた。


「……御園?どうした?」

私の異変に気付いた雪夜は声をかけてくるけれど、何も言葉を返せない。



写真に映るのは3人の子供。
真ん中に私、右側には子供の頃の祐樹。

そして左側には───


私の後ろに隠れるようにして立つ、ひとりの男の子が映っていた。

その男の子は私の服を掴んで恥ずかしそうな、弱気な表情をしていて。


『おとちゃん、あのね。
今日はお母さん優しかったんだ』


思い出す過去の記憶。

確かにこの男の子は私のことを『おとちゃん』と呼んでいた。



慌てて雪夜のほうを向く。
この間彼も寝言で『おとちゃん』と言っていた。