「準備するからどいて。
それに髪で隠せるし意味ないでしょ」
「隠せるところならいいのか?」
「バカ、変態思考男。準備するまであっち行って」
キスマークをつけたから満足したのか、言う通り私から離れて玄関のほうへ行く雪夜。
そこでようやく一息つき、準備を始める……前に。
少しだけキスされた首筋に触れてみる。
鏡は洗面所に行かないと見えないけれど、ここに雪夜のものだという“印”がある。
「…………」
おかしい。
こんなにも胸が疼くだなんて。
独占欲の強い男。
普通なら面倒くさいと思うはずなのに。
今日の私はらしくない。
「これで完全に雪夜のものになったじゃん…」
どうしてくれるんだ。
これで言い逃れることができなくなった。
「早く準備しろよ。じゃないと寝てまう」
「……っ、立っとけばいいじゃん」
私の気も知らないで、マイペースに座り眠たそうな顔をしている彼の姿が部屋から見える。



