危険な愛に侵されて。




「宮木さん、何度もありがとうございます」


こうやって家まで送ってもらうのは今日が初めてではないため、お礼を言って車から降りる。

雪夜に声をかけるか悩んだけれどさっきの変態な行動を思い出し、無視して帰ろうと思ったその時。



「……は?何であんたも降りるの」

少し眠そうにしながら雪夜も車から降りた。
驚きのあまり、思わずその場で立ち止まってしまう。


「見張り」
「え?」

「お前、今日から神田組で匿うことになったから」


どうしてこうも突然言うのだろうか。
心の準備すらしていなかった私は言葉を失う。



「だから今すぐ荷造りだな。
しばらくは家に戻れねぇだろうから」

「……は?いきなりなに言ってんの…」

「家を特定されるのだってそう遠くない話だ。
いいのか?隣人やこのマンションの住人巻き込んで」



ずるい人。

“隣人”や“住人”の言葉を使われると、首を横に振って拒否することだなんてできない。


周りを巻き込みたくはないのだ。