にこにこ裏表のない明るい笑顔を自分なりに研究して、作って。

今じゃこの学校での認知度は高い。


「はい、みんな席ついてね〜
イケメンの転校生が来たわよ」


朝のホームルームの時間に、担任の先生が教室に入ってくるなり転校生の話題に触れた。

そのためクラスがざわざわと騒がしくなり、女子はキラキラと目を輝かせている。


「先生!どんな感じの人ですか!」
「それを今から紹介するんでしょう?」

「待てないよせんせー早く!」

「あー、もう落ち着いて。
まあかんたんに言えば“危険なイケメン”かなぁ」



危険なイケメン?

不可解な言葉に、周りは首を傾げてなんとも微妙な表情をしている。



そりゃそうだ、表現の仕方がずれている。


「まあ実際に見たほうが早いと思うから、先紹介しようか」


なんとも言えない空気になったため、気まずくなったのか先生が転校生の紹介へと移った。