危険な愛に侵されて。




車内には重い空気が漂う中、祐樹の家に着く。

この時も彼は私のほうを向かず、お礼を言ってから降りた。



「……じゃあ次はお前の家だな」


いつもと変わらない雪夜の声。
それに対して私は、言葉を返すことができなかった。


「……っ」

ポロポロと先ほどよりも涙が目から溢れてしまう。
急いで拭うけれど止まらない。


ああ、どうしてこうも上手くいかないのだろう。


「……あー、宮木。
ちょっと車停めろ」

「かしこまりました」


どこか寄りたいところでもあるのか、雪夜がそう命令したかと思うとすぐに車は道路の隅へと停められる。



なるべく俯いて泣きているのをバレないようにしていたら、雪夜が車から降りた。

かと思えば今度は後部座席のドアが開けられて。



「……雪夜?」
「ひっでぇ顔だな」

祐樹が座っていた私の左側に、今度は雪夜が座った。


彼が座るとすぐまた車は発進して。
どうやら私の隣に来るためだったのだと気づく。