もしかして、この人が敵を追っ払ってくれたの?
歳はもう若くないはずだ。
髪も白髪が増えており、40代後半あたりに思える。
実はもっと若いのだろうか。
「先、祐樹の家に向かう。
変わってないんだよな?」
「……ああ、ありがとう」
祐樹は一切私のほうを見ることなく、後部座席へと乗り込んだ。
私も祐樹の隣に乗り込むけれど、気まずい空気が流れていて。
苦しい、けれど。
これでいいと思った。
幻滅されるくらいなら、綺麗なままで終わって欲しいと。
このまま祐樹との関係は切れてしまう。
わかってはいるけれど、それでもいいと思ってしまうほどに知られたくなかった。
汚い人間。
私は心も体も汚れている。
そんな自分が嫌になる、消えればいいのにと思う。
それでも自ら命を絶つ勇気はないため、本当に弱い。
いっそのこと、誰かが私に手を加えて───
気づけば頬に涙が伝う。
それがバレないよう窓の外に視線を向け、涙を抑えようと思うけれど。
止まらない。
泣いたところで許されるわけではないのに。
楽になるわけではないのに。



