「でも敵来てねぇんなら安心だな」
雪夜は座り込む私たちと向かい合うようにして座り、真正面から見つめてきた。
「う、うん……祐樹にも迷惑かけちゃったや…ごめんね」
「…………」
反応しない祐樹。
気になって隣を見ると、彼はじっと雪夜に視線を向けたまま口を閉じている。
「祐樹?どうした」
そんな祐樹に気づいた雪夜が、彼に向かって話しかける。
「……ふたりって、何者なんだ?」
その時ようやく、少しだけ掠れた声が耳に届く。
その瞳は揺らいでいる中、雪夜から逸らされることはなかった。
「何者……か。
やっぱ御園、言ってなかったんだな」
雪夜のひと言に、ギクリとしてしまう。
薄々雪夜も察していたらしい。
「……っ、そんなの言えないよ」
震える声。
だって祐樹は昔の私を知っている。
だからこそ変わってしまった自分を知られたくなかった。
せめて祐樹や、高校生の私である時は。
汚れてしまった自分を忘れていたかった。
わかっている。
これがただのわがままに過ぎないって。
自分でその道を選んだくせに、今更こんなことを思うのは自分勝手だってわかっているけれど───



