「は、ちょ…何が」
「早く!」
無理矢理、祐樹の腕を引っ張る。
「逃げたぞ!追え!」
やばい、このままでは。
祐樹を巻き込んでしまうことになる。
急いで走り、撒くために必死に足を動かす。
幸いこの辺りの道に詳しいため、なんとか振り切ることができた。
相手が拳銃などを持っていなかったことにも救われたのかもしれない。
それから目立たない裏道に入ったところで、足に限界がやってきた私たちは座り込む。
息の荒れる私と祐樹。
本当に巻き込んでしまい、申し訳ないことをした。
「……ごめん、祐樹」
息を整えたところで、真っ先に祐樹に謝るけれど。
「それは何に対しての謝罪だよ」
返ってきたのは、少し怒りが含まれている祐樹の声で。
顔を上げると祐樹は怒っているような、悲しい目をしているような。
複雑な表情をしていた。
「なあ、なんで静はさっき追われてたんだ?」
「……それ、は…」
「答えろよ。俺たち幼なじみだろ?
いつからか、静の存在が遠く感じて怖い」
揺らぐ瞳で私を見つめてくる彼。
“いつもの私”を演じていたつもりだったのに。
祐樹にはそれが見破られていたようで。



