「普通に帰ってただけだよ?」
「……本当か?」
疑うような言い方に、違和感を覚える。
何かを気付かれているような気がして、怖い。
「他に何があるの?」
「……涼雅と一緒にいたんじゃないのか?」
思わず動揺してしまった。
“事実”であることを祐樹は口にし、思わず目を逸らしてしまったのだ。
「雪夜……?どうして雪夜の名前なんか」
「他のクラスの女子が見たんだって。涼雅が静を抱きかかえて車に乗り込むのを」
平静を装うつもりだったけれど、できなかった。
もし今の言葉が本当なら、私が意識を失っているところを他のクラスの女子が見たことになる。
つまり私はその部分が記憶にない───
「……いたぞ!こっちだ!」
今日もまた、油断していた。
祐樹がいるからだというのもあったかもしれない。
背後から突然声が聞こえてきて、振り返るとサングラスをかけ黒服姿の男が3人。
標的は間違いなく私。
「御園静音を捕らえろ!」
「……っ、祐樹!こっちに来て!」
金曜日から、何かがおかしい。
どうして高校生である私の存在が気づかれたんだ。



