その後も祐樹と一緒に他愛のない話をしながら学校へと向かう。
「そうだ、静。
今日の放課後って暇?」
「放課後?」
突然の誘いに戸惑ってしまう私。
「珍しいね、祐樹が誘うなんて」
「まあ、たまたま」
少し照れた様子の祐樹を見て、デートに誘われているのだとわかった。
けれど、ごめんなさいと心の中で謝る。
中途半端なことはできない。
それに一応私は、雪夜のものになったのだ。
もちろん恋人同士かと聞かれると、頷けないが。
「祐樹、あの…」
「静の好きなクレープ屋行こうぜ。最近幼なじみらしいことしてないし、たまにはいいだろ?」
断ろうと思ったら、私の言葉を制するようにまた口を開いた彼。
「……そう、だね。
甘いもの不足だから食べたいかも!」
小さい頃からの幼なじみである祐樹にも隠し事をしている。
そんな自分が嫌になりながら、今日もまた中途半端な選択をしてしまう私。
「だったら余計に食べに行こうぜ」
ほっと安心したように笑う祐樹に胸がぎゅっと締め付けられ、苦しくなる。
いつまで私は彼を縛るんだろう───
「……ごめんなさい」
無意識に口からこぼれ落ちる、謝罪の言葉。
言ってからはっと我に返って。
「静、なんか言ったか?」
「え、や……ううん、なんでもない!」
どうやら運良く祐樹の耳に届いていなかったようで安心する。
けれどやっぱり罪悪感が占める中、それをかき消すかのようにして明るい笑顔を浮かべた。



