「……それもそうだな。
ゆっくり慣らしたほうが確実だろうし」
「慣らすって何」
雪夜が言えば全部いやらしく聞こえる。
「その警戒心も全部、解いてやるよって意味」
ふと彼を纏う空気が変わった気がした。
なんというか、危険な雰囲気が漂う。
「早く居間に行こ…」
「御園」
色っぽい声。
和服が似合う雪夜は、大人びていて色気がダダ漏れ。
こんなの誰でも胸がドキドキするに決まっている。
全部、容姿のせい。
かっこいいのが悪い。
そう何度も言い聞かせ、なるべく雪夜のほうを見ないようにする。
雪夜の性格は最悪。
自分勝手で、横暴で。
手に入れるために迫るなどの汚いことをする。
それから口も悪いし、人の話を聞こうとしない。
「今日はどんな夜にする?」
甘い囁きが理性を揺るがせる。
このままでは、またのまれてしまう。
“女の私”になってしまいそうだ。
「……怪我してるから、安静にするに決まってるでしょ」
自分を見失わないように、わざと痣の上に手を置いて痛みを思い出させる。



