危険な愛に侵されて。




「御園」

低い声が私の名前を呼び、はっと我に返った。


「ぼーっとして大丈夫か?
もう拓哉と白野、居間に行ったぞ?」

「……居間?」
「そこで飯。やっぱ話聞いてなかったのか」


ため息をついて呆れられるけれど、すぐに状況が理解できなくて。

部屋を見渡すともう神田と未央ちゃんのふたりはいなくなっていた。


「ごめん、聞いてなかった」
「だろうな。最後のほうとか上の空だったし」


正直、最後のほうはほとんど話を聞いていなかった。

ふたりを見ていると自分がどれほど孤独なのかを思い知らされたから。


「で、どうしたんだ?」

スルーしてくれればいいものの、雪夜は私の異変に対して敢えて聞いてきた。


「……別に、なんでも」
「かわいくねぇ女だな」


雪夜に弱さを見せるのは嫌で、彼の言葉を軽く流そうと思ったけれど。

『かわいくない女』と言われ、さすがの私もイラっとしてしまう。


「そんなの、言われなくてもわかってるし」

素直になれない女。
もうこの性格は直せない。