確かに雪夜も神田も和服であるため、ここが“和”を大事にした家なのだということはなんとなくわかる。
それにヤクザと言っていた。
だからあの虎の和彫り。
今思い出すだけでも身震いしそうになるほどに、それは私を魅了した。
現実味のないことが今私の周りで起こっている。
ヤクザの家にいるだなんてそんなこと、到底信じられる話ではない。
けれど確かに事実なのだ。
そんな中で神田の彼女だというこの子は、明らかに場違いに思える。
弱いとかそういう意味ではなく、華奢ですぐ壊れてしまいそうな。
容易く人質にとられ、食べられてしまいそうな。
危険と隣り合わせ。
そんな中で幸せな笑顔を浮かべているということは、それほどに神田という男が彼女を身の回りの危険から守っているのだろう。
先ほど雪夜が言っていたことを思い出す。
確か命懸けで彼女を守り、刺されたり拳銃で撃たれたりしたと言っていた。
それは簡単にできることではない。
けれど神田という男は本当に命を懸けて守ったのだ。
『自分の命は自分で守らないといけない』
ある日、秋崎が言った言葉が脳裏に浮かぶ。
そう。
私にはもう守ってくれる人はいない。
自分の命は自分で守る。
だかり私は強くならなければいけないというのに。
そんなふたりの関係が。
命を懸けて守るほどの相手であることが。
見ていてこんなにも羨ましいと思うだなんて───



