危険な愛に侵されて。




「未央、俺の話はここまでにしようね」

「だって、静音ちゃんに神田くんは怖くないよって知ってもらわないと!」



恐らく彼女に対しての神田は相当優しくて、デレデレしているのだろう。

けれど“裏の世界”となれば話は違う。



「未央ちゃん、もう十分伝わったよ」

“表の神田”がどれほど優しいのかということは、十分に伝わった。


「ほんと…?じゃあもう怖くない?」
「怖くないよ。さっきはお互い警戒し合っていたから」


なんて嘘をつくけれど。
今もまだ、バレないよう心の奥で警戒心を抱いている。

仮にも私は雪夜の命を狙っていた人間。


いくら雪夜が私の両親を殺していないとはいえ、雪夜や神田とは敵に近い関係で───


「……っ」
「静音ちゃん…?」


冷静になった今、抱いた疑問。

“雪夜が私の両親を殺した”
そう話したのは他でもない、秋崎さんである。


けれど雪夜は殺していない。
つまり、秋崎さんは───


なんらかの意図があり、雪夜を消したかったということになる。

それしか考えられない。


雪夜のような強い人間の名前を適当に言ったとは考えにくいからだ。