「変なこと言わないでよ…!」
「いい感じの空気だったのは事実だからな」
「事実じゃない!取り消せ!」
私が雪夜に噛み付いていると、神田が申し訳なさそうに眉を下げた。
「……なんかごめんね」
さらには謝ってきたけれど、それに対してすらも恐れてしまう私。
「本当考えろよ。いつかお前と白野のところにも邪魔して…」
そんな私の様子を見た雪夜が仕方なく助けるかのように、ため息をつきながら神田に話しかけたかと思うと───
彼の後ろから、先ほどの女の子が恐る恐る顔を覗かせるのが視界に入った。
「……白野もいたのか」
「ご、ごめんなさい…私が頼んじゃったせいで…」
ひどく落ち込むような顔をする彼女。
あまりにかわいいため、頭を撫でて慰めたくなるほどだ。
これは男だけでなく女も落とす。
ある意味、鈴より無自覚小悪魔で危険な人間だ。
神田はそんな彼女の頭を優しく撫でながら、ふわりと穏やかに笑う。
自然な笑顔。
その笑顔に恐怖心を抱くことはなく、かっこよくて綺麗だと素直に思った。



