ナイフはすでに奴の手に渡っており、いっそのこと私を刺してほしいと思った。


「……殺せばいい」
「…………」

「それで私を殺ればいい!」


訴えるようにも聞こえる言い方。
必死だった。

もう無茶苦茶にされるくらいならここで───



「簡単に命を捨てようとするな。生きていればまた俺の命、狙えるだろ?」


呆れたような話し方に、言葉を失う。

どうしてそんな顔をするんだ。
どうしてそんなことを言うんだ。


私の両親を殺したくせに、自分の命を簡単に捨てようとするな?


ふざけないでと叫びたかったけれど、その頃にはまた唇を塞がれて。


繰り返されるキス。
そして彼の手が私の服に触れ───



やっぱり彼は手慣れていた。

相性がいいのもまた事実で、彼の手が動くたび体が痺れるように反応してしまう。


思い通りになってはいけないとわかっていても、彼を求めてしまい。

好き放題やられていた。


声が漏れないよう必死でシーツを噛んだり手で掴んだりしたけれど、それでも抑えきれなくて。

何度も何度も極限に達し、その度に甘い吐息が漏れていた。


途中から彼も息を乱し、結局私たちも欲に溺れていたのかもしれない。



あっけなく終わった復讐。
けれど絶対に私は彼の命を奪う。

体を何度も重ね合う中、その気持ちだけは強く心に残していた───