何故だか懐かしい気持ちに駆られる。
「じゃあ、今日からお前は俺のもので」
まるで誓いのキスでもするかのように。
雪夜がまた顔を近づけてきた。
迷いなんてなかった。
それほどに私は、彼を求めていて。
正直な体は、受け入れるように目を閉じたけれど───
その時、突然部屋のドアがノックされた。
そこで現実に引き戻された私は、慌てて雪夜を押しのけて離れる。
「……っ、いった…」
その反動で怪我を負った部分が激しく痛み、思わずその部分を抑える。
そんな中、ドアを開けて入ってきたのは───
「……あ、取り込み中だったかな」
若頭という神田拓哉の姿だった。
先ほどのように怖く冷たい雰囲気はまとっていなかったけれど、思い出してしまった私は咄嗟に雪夜の和服を掴んで寄り添う。
「拓哉って、本当に空気読めない男だよな。
普通男女が部屋に入ったら何してるかわかるだろ?」
「なっ……!」
けれど雪夜が良からぬことを口にするから、慌てて口を挟むことにした。



