「だからもうこんな思いする必要はねぇよ」
何度も彼を恨み、憎しみ。
罵倒していたというのに。
そんな人間にどうして優しくするのだ。
「……優しくしたって意味ないよ」
いっそのこと雪夜も私を汚い扱いすればいいのに、変に優しくされるから逆に戸惑ってしまう。
「優しくするわけねぇだろ?
お前が自分の命捨てたから拾っただけ」
「……は?」
確かに楽になるため、捨てようとしたけれど。
雪夜が拾ったとはいったい───?
「もう今からお前は俺のものだからな」
「えっ、と?」
「お前をそばに置いておくって決めた」
「な、何言って…」
しがみつく彼から離れ、見上げてみると。
本人は意地悪く笑っており、嫌な予感がした。
「だってお前捨てただろ?
それならもう俺が好き勝手しようが関係ない」
「捨てて、ない…」
「ダメだ。今日から俺の所有物な」
騙されたと思った。
だって今の彼は、悪魔のような笑みを浮かべていたからだ。



