「つーかさ、親父。
ここにいつまでいる気だよ」
周りは大人だらけだし
喧嘩は始まるし
居心地が悪い。
俺は耐えきれなくなって聞いた。
さっき席を立った女は、
それっきり戻ってこないし、
未成年の俺は酒を飲めないから
飲むものもない。
「んー…今日は
情報収集ができなさそうだし、
風俗にでも行く?」
親父が涼しい顔に戻り
バカげたことを口にした。
どうせそこへ行ったって、
俺には何もすることがない。
それに、親父と同伴でも
行ったとなればクソババァが
黙ってないだろう。
「とっとと家帰ろうぜ」
俺が言ったときだ。
着物を着たオーナーが、
俺たちの席に近づいてきた。
「あら、湊さん。
来てくれていたのね」
「やぁ、久しぶり。
いつ以来だっけ」



