頭の禿げたサラリーマンが
オドオドした様子で呟いた。

私は衣装の上に
パーカーを羽織りながら


「こうでもしてなきゃ、
やってらんないのよ」


と告げた。

彼と会うのは数回目で
彼は慣れた手つきで財布から
お金を取り出し、

私の足元に置いた。
それからシャツを羽織る。


「若いのに、
こんなことしていたら
体を壊してしまうよ」


と説教じみたことを
口にしながら彼は
ズボンを穿いた。


「それをあなたが言う?
それにこの仕事は体がどうなろうと
生きてくための手段なの」


ほっといて。
とは突き放せなくて
私は髪をかきあげた。

それから、煙草を指で挟み
煙を口から吐き出す。

サラリーマンは
その煙にむせた。