「じゃあ、帰ろうか。」



「うん!そうだね!」




「ゆき。こっち向いて。」



「へ?」




「…んっ」




「俺のファーストキス。」




「や、あ、あのっ。」




「ははっ、テンパりすぎ (笑)」




「あ、笑った。」



いきなりキスされて戸惑ったけど、五十嵐くんの笑顔を初めて見た気がする。



どうしよう。さらにドキドキしてきた。



「失礼な。俺だって笑う。」




「ごめんごめんっ。」




「さ、帰るよ。」


そう言って五十嵐くんは私の右手を掴んだ。


「あっあの。手が…。」



「繋ぐのいや?」



そんなわけない。心臓が持たないだけ。



「ううん!か、帰ろ!」




そういえば、私の事ゆきって呼んでくれたような…。



ま、いいか。