心拍数上昇中！！

なぜこうなった？
彩花は、自分の状況に混乱していた。大好きな人に、ついてきてと言われた。役に立てるならもちろんと思い着いていくことになった。しかし、緊張のあまり、走ってる途中で転けた。

しかも、盛大に…

会場は、笑い声と応援の声が入り交じり恥ずかしさと、情けなさに泣きそうになりながらも立ち上がろうとした時…

ごめん、嫌だったら言ってと声が聞こえたのと同時に体がフワリと浮いた。

ようやく持ち上げられてることに気づいたのは、いいものも…

それがお姫様抱っこという世の女性が憧れる抱っこだったことに気づいてしまったのだ。

朝野は、彩花を抱えながらゴールに向けて走っていた。しかも…

「ザッキー、軽すぎ…ちゃんと食べてる？」と聞く程に余裕っぷりだった。

「た、タベテマス…」

「肉も食べないとダメだよ」

「……あ、ハイ…というか、体重のことを聞くのはちょっと……」

「ダメだった？」


「ちょっとだけ…次聞いたら…お、怒りますよ？」と一睨みする

「………ん…えーと、そう睨まれても怖くないよ？」と笑顔で返された。


「………」

ゴールするまで、顔は絶対見ないようにしようと両手で顔を隠す彩花であった。