心拍数上昇中！！

代理で借り物競争に出ることになったわけだが…

なんで夏川(こいつ)がいる？
「なんであんたがいるんだよ、担当種目終わったんじゃなかったのかよ」とあからさまに不機嫌そうに俺に言う。

「代理で出ることになった…」

「へー、まぁどうでもいいんですがね…」

「…だろうなぁ」

まだ会ったばかりだかりだが、どうにも気が合わない。そして、妙に気に食わない

「この競技で１位取ったら、木崎を食事でも誘ってみようかなぁ…」と挑発気味に夏川はそう言った。

「１位だろうが、ビリだろうが…生憎、ザッキーには、もう予定があってね。残念だったね」

「は？言ってみないと分からないだろ」と俺を睨んだ。


「そうだね、まぁがんばれ」と適当に流す

「本当お前気に入らねぇ」と夏川

「奇遇だな、僕も同じ事を思ってたんだ。あと、お前より年上だから」

「年が４つ上だろうが、5つ上だろうが関係ないね、あれか？年上の余裕ってやつか？」夏川

にらみ合いをしてる二人の様子を上のベンチから見てた佐藤、松岡、木崎

「ねぇ、あれなにやってるの？」佐藤

「なにやってるって、にらみ合いでしょ？バカなのヒデ？なに他の店の人に噛みついてるの？」松岡

「夏川、なんか朝野さんを怒らせることでも言ったのかな…どどどうしよう…」と慌てる彩花を見て


「え、ちょ…あれ知り合い？あのヒデとにらみ合いしてる青年」と佐藤は、二人を指差した。

「あ、はい…中学の同級生でさっき久しぶりにあったんです」

「なるほど、それでさっき遅かったのね」と松岡


「はい…」


「きっと、夏川がなんか言ったんです…じゃなかったら……あんな風になってないです…はぁぁ」とため息をつきながら二人を見た。

「なにか言ったにしろ、ヒデも噛みつかれたら噛みつく子だから…あれよ…お互いさまよ」


「ネタになりそうだから撮っとこ」とスマホを取り出し二人を撮影する佐藤さん、めちゃくちゃ楽しそうだ。


「あ、スタッフに注意されてる」


「まぁ、あんな感じが続いてたら試合にならないもんね」

「……はい」

試合よりも二人の様子が気になって競技説明を聞いても頭に入ってこない彩花だった。