心拍数上昇中!!

それを言われたのは、突然のことだった

卒業を無事迎え、実感があまりなくただ、ボーッとしてたら同じクラスの山口優香に言われた。

「…彩花に、謝りなさいよ。あんた」

ツンっとした声でそういう山口の目元は、真っ赤になっていた。泣き張らした跡がしっかりついている。

「なんのことだよ」


「とぼけても、意味ないわよ。あんたが風の子なんて言ったせいで他校までその呼び名が知られて大会に出るたびにその呼び名で呼ばれてるのよ」


「べつにいいじゃんか」


「よくない!!本人は、なんも言ってないけどあの子結構気にしてるのよ!?それぐらい分かりなさいよ」

山口は、卒業証書を握りしめ俺を見た


「………」


「目で追ってること知ってる。好きなんでしょ?…あの子のこと」

山口の言葉にドキッとした

俺は、木崎が気になっていた…けれども、それがどういう好きなのか分からなかった。

「…………アホらしい。なにを根拠に言ってるんだよ」

「勘よ。よく言うじゃない女の勘よ」山口は、苦笑いしながらそういった。


「……こえぇな」



「なにを今さら?意外と女子のこと怖がってた癖に…」


「……」


「好きな子いじめたくなるのは、わかるけど…呼び名については、謝りなさいよ。もう一生会えないかもしれないのよ!?」


一生…

今まで深く考えた事がなかった

地元だから必ず会えるだろうなんてどこかで思ってたからだ

「…………」


「ハッキリしなさいよ。言わないで隠してるだけだと一生後悔し続けるわよ?」



「っ……」


「とにかく、私は言ったからね!さようなら」そう言って山口は、去っていった。残された俺は、ただうつむくだけだった。


そのあと、謝ることはしなかった

いや、怖くてできなかった

だから、もう会えないと思ってた