そんなこんなで、ぎこちない日々を送ってるわけだが、上司としては彼女の年齢が近い異性と話せないという事は、一刻も早く治させたい。
それさえ、治れば仕事への影響も大分なくなるはずだ…


腕時計をチラッと確認するとシャッターが降りる時間が近くになっていた。
早く出なければ家に帰れなくなる…

「…まずいな、急がないと」俺は、急いでビジネスバッグを持って駆ける。


薄々気になっていると思うけど、普段は僕と自分のことを言ってるが…友達や家族などの前では、俺と言ってる。

そのせいか、言い方で印象が変わるとは、言われる……

そんな話は、置いといて

なんとか無事入り口に着くと、警備員のおっさんが苦笑いしながら

「まーた、キミかねぇ…いい加減ギリギリになるまで仕事するのは、やめなさい。週に三回こうやってギリギリになるまで仕事をして走っての繰り返ししてたら体壊すよ?」と言われた。


「はぁ、す…すいません」


「キミも帰りなさい。誰かを待ってたいのは分かるけど…キミは、女性だ。夜は、危ないからね」と警備員がそう言って見る先には見覚えがある女性がいた。

「あ、えーと…はい…」


木崎さんだ


彼女は、戸惑いながらも俺を見た


「……あ、あの…朝野さん…」なにか言いたそうにそう言う。


「あれ?君たち知り合い?なんだー、とりあえずキミたちで最後かねぇ?もう館内誰もいないなら閉めるよ」そう言って警備員は、店内へと入っていた。

また、二人きりになってしまい…なんとも言えない気まずい空気になった。


「………えーと…あの…」


「…外で話すのもあれだし、どっか入って話さない?」やっと口から出た言葉はそれだけだった。

未だに戸惑ってる木崎さんを半分強引に近くのファミリーレストランへと向かった。

……

向き合って座ったが、まだ気まずい

端から見れば別れを切り出されめちゃくちゃ気まずくなった男女に見えてしまってるんだろ。近くで食べてるご老人二人が俺らを見てコソコソ喋ってる。


早く本題に入らなければお互いさらに気まずくなる!!と思い話し出す前に


「あの!!朝野さん!!」と、ずっと下を見てた視線を真っ直ぐに俺に向けた。

「…ん?」


「今日は…すいませんでした。たくさんご迷惑をかけてしまい…」


「あー、あの件ね…大丈夫だってもう解決したことだから気にしなくて「違うんです…」…」彼女は、被せるようにそう言った。


「違うってなにが?」

「帰り、佐藤さんに言われたんです…全部自分一人で解決しようなんて思ったらダメだってことを

私が最初大事にしたくないし、この程度なら解決できるという考えさえしなければ…こうならなかったんです。何かあったらすぐに相談するべきだったんです…本当にごめんなさい…」泣きそうな顔で俺を見てそう言った。


「……いいって、分かればいいから…もしかして、それを言う為に待ってたの?」


「……はい、、」

どうしよう、気持ち悪いとか思われてるんだろうか?などと思ってるのか不安そうな表情

「……そうだったんだ。でも、女性一人立ってたら危ないから気をつけるんだよ」と言いながら彼女の頭を優しく撫でると

「…は…はい、あと…あの…」とまた、戸惑いながら何かを言おうとしてる。少し耳元が赤くなってるが気のせいだろう。



「…あの、、ちょっと恥ずかしいです…あと、店員来てますよ…///」と今度は、ハッキリそう言った。
横を見れば店員は、申し訳なさそうに


「お取り込み中、大変失礼します。コーヒーとカフェラテです」 そう言ってテーブルの上に置いて小走りでその場を後にした。


「………えーと、ごめんね…なんていうか、癖というか」



「あ、いえ…」


「…あ、あれだから!僕には、兄妹がいてそれで頭を撫でる癖があるというか…まぁ、そんな感じ」


いやいやいや、どんな感じ!?内心自分の言語が可笑しくなってる自分にツッコミ。


「…そうなんですね、なんかそんな感じありますもんね」彼女は、納得したようにそう言う


「…そんな感じって?」


「お兄ちゃん!って感じがあるなぁと思いまして…あ、でも…」


「でも?」


「いえ、これは…まぁ…なんでもないです!」彼女そう言って笑った。


「本当かな?なんかあるぽいけど」


「言わない方が良いこともあるって佐藤さんから教わりました」と今度は誤魔化すように笑った。

その言葉に余計気になったが、こうやって話すことを増やせば彼女とも佐藤さんと同じぐらいに仲良くなれるんだろうなぁと思うと今は、まだその事に触れないように返す言葉を飲み込んだ。