サラはお城の中を案内してくれながら、今日のパーティのことをいろいろ説明してくれた。

「カレン、あと2週間くらいで日本に帰国しちゃうでしょ?だからパパが一度カレンをご招待しなさいって。それに最近元気ないし、心配なのよ、わたしも。アレックじゃだめだったみたいだし。でも安心して!あの仮面舞踏会の日は銀髪だったけど、その後で黒に染め直した人間がいたことがわかったのよ!」

「!?」

黒に染めたって、まさか………デュオ!!

デュオかもしれないと思うとわたしの心臓は激しい鼓動に襲われ、サラの嬉しそうに話す顔を食い入るように見つめていた。

「まさか、黒になってるとはねぇ。わたしが調べたのはあのパーティのあとの髪色だったからわかるはずもなかったわ。とりあえず黒に染め直していた男をご招待したからあとはカレンが頑張るのよ!」

今夜はサラのパパ、もとい理事長が主催するパーティーで、サラのモデル仲間や各病院のご子息、その他もろもろ高貴なご身分の方々が100名ほど招待されているというパーティだった。

お城でパーティとは、さすがサラ!

でもそれよりも何よりもデュオに会えるかもしれないと思うと、わたしは夜が待ち遠しくて仕方なかった。