「う………」

アレックの唇がそっとわたしの唇をついばむ。

ワインの香りが漂い、一瞬甘い快感を得たような気分でわたしは目を細めた。

でもその瞬間。

頭の奥でキーンと音がしたかと思うと、激しい頭痛がわたしを襲った。

「ん……!」

あまりの痛みにわたしは頭を振ってアレックから離れようともがく。

アレックはわたしが抵抗を見せるとさらに腕に力を込めてその唇でわたしの唇を大きく開かせた。

彼の舌の先がわたしの中に入ってこようとした瞬間。

嫌だ!!!

わたし、この人とはキスできない!!!

そんな感情が爆発した。

わたしはそのままアレックの舌を噛むとアレックは「う…!」と呻いてわたしから離れた。

思い切りアレックを突き飛ばした反動がさらにわたしの頭痛を激しくさせると、わたしはそのままふらふらと後ろへと後ずさり、

バシャーン!!

という水しぶきをあげて、プールの中へと落ちていった………。