シエルの唇がそっとわたしの唇に触れる。

唇から、彼のエナジーが流れ込んでくる。

そっと……そっと…。

優しくて、清らかなエナジー。

太古からヴァンパイアを見守ってきた月が、彼だけに与えた清廉なるエナジー。

シエル……ありがとう。




そして………さよなら………!!




目を開けると、柔らかな月光がわたしたちを照らしていた。

わたしはベッドの上で夢見がちに微笑む小さなシエルの頭をそっと撫でた。

「…うっく……」

撫でられて少しくすぐったそうに体を動かしながら、赤ん坊のシエルはすやすやと眠る。

「…十字架…」

いつのまにか、わたしの首にかけられていた金色の十字架に気付く。

ウルフとエマの愛の証をわたしは大切に胸に抱きしめた。

「シエル…ありがとう。また……いつか…!」

溶けてしまいそうに柔らかいシエルの頬にキスをした。



明日は………満月だ………。


…………デュオ……!!