ヴァンパイア†KISS

シエルがわたしをベッドへと押し倒した。

シエルの首にかかっている十字架がわたしの胸に触れながら揺れる。

彼は涙を流していた。

綺麗な涙が頬を伝い、わたしの頬へ落ちる。

シエルがその形のいい唇をわたしの胸元へと落としてきた、その直後。

シエルはそっと起き上がると、わたしに背を向けた。

「…シエル…?」

背を向けてても泣いているのがわかるほど、彼の背中は震えていた。

「カレン、君の今の笑顔は『嘘』だった。僕は君を抱けないよ」

「…シエル…だめ…よ、嘘でもいいから抱いて。このままじゃデュオを助けられない!」

シエルの肩に触れると、彼の肩は無言でわたしを拒絶した。

「カレン、僕はずるいんだ。カレンの笑顔が嘘だと知っていて君を抱こうとした。……ほんとうは他にも方法があるのに…!」

「……シエル…どういう…こと?」

シエルは振り向き、涙でボロボロになった顔を向けた。

「もう一つの方法は、僕の月の力を全て君に与えること。僕のありったけのエナジーをキスで君に流し込む」

「キス…だけで、いいの?」

シエルは寂しげに微笑み、わたしの頬に触れた。

「ただし、その方法を行えば、僕は月の力を失い、赤ん坊に戻ってしまう。そうなると成長はすごく遅いだろう。今の姿に戻れるのは……100年後かもしれない」

シエルが赤ん坊に戻ってしまう……!?