ヴァンパイア†KISS

シエルと寝て……満月の夜にデュオにキスする……!

わたしは身動きできず、ただシエルを見上げていた。

シエルの顔の後ろに明日にも真円を描くだろう月がぼんやりと見える。

シエルの顔は真剣だった。

いつもの明るい太陽のような笑顔は微塵もみせない。

シエルはきゅっと唇を結ぶと、わたしを抱き寄せた。

そっと腫れ物に触れるように優しく。

「カレン、一度だけだ。それで、兄さんは永遠の命を手に入れることができる」

体に力が入らない。

シエルと……寝る…?

感情が高まっているわけでもないのに、自然と涙が溢れて頬を伝った。

デュオ……あなた以外の人と……わたしが…。

「カレン…顔を上げて、答えて。君が嫌なら、僕は無理強いはしたくない」

自分の体が震えているのがわかった。

震える顔でそっとシエルを見上げる。

シエルの顔は切なさをたたえていた。

今にも泣き出しそうなシエルの顔。

「カレン…愛してる」

シエルはそっとわたしの額にキスをした。

『愛してる』その声がデュオの声と重なる。

デュオ………!!

デュオの笑顔、デュオの声、デュオの唇………!!

全てが愛おしくて狂おしくて。

………だから、何を失っても、

デュオだけは、失いたくない!!

わたしはボロボロに涙を零しながら、背伸びをして、シエルの唇に自分の唇を重ねた。

そっと離し、笑顔で言う。

「抱いて、シエル」