ヴァンパイア†KISS

サラはノックすると返事も待たずにドアを開けて中へ入って行く。

「パパ、わたしの親友のカレンよ。とってもセクシーな胸をしてるの」

「!?」

ば、ばか言うんじゃない!

と叫びそうになるのをこらえてサラのパパを目で探した。

部屋の中は、病室とは言いがたい豪華な寝室といった感じで、大きなベッドとバラのカーテンのかかった大きな窓に、ソファーやテレビまで完備している。

そんな部屋に診察器具一式も整然と添えられているのが無性に奇妙に感じた。

「いやぁ、カレンさんだね。話は聞いていますよ。童顔に似合わず胸が大きくてセクシーだとか。いやいや、確かにとてもお美しい膨らみだ。私はあなたを歓迎しますよ」

ぎゃあ!

お、親子して胸フェチ!?

わたしは思わずタートルネックのセーターの上から両手で胸を隠すように抱きしめた。

サラのパパは、美しい曲線を描くようにスタイリングされた金髪の少々の乱れを手で撫で付けるように修正すると、わたしをソファーへと案内した。

40代前半に見えるダンディーな雰囲気のサラのパパは、セリフとは裏腹に紳士な身のこなしでわたしの診察や問診をしていく。

そして、いつのまにかどこかから現れた看護士たちに促されてレントゲンや血液検査、頭部MRIなど本格的な検査が始まった。

サラはその間、同じフロアにあるという自室で休んでいたようだった。

な、なんか、大変なことになってない……!?