「オズワルド…ウルフがつけられなかった100年の決着を今ここでつけよう。私では役不足だろうがな…」

そう言ってデュオは不敵に微笑むと、剣を構え一気にオズワルドに駆け寄った。

「デュオ……!」

「カレン、下がって!」

少し離れた所にいたシエルが厳しい声で叫ぶ。

ガキーーーーン!!!

剣と剣がぶつかり合う音が耳に痛いほど響いてきた。

オズワルドがデュオの剣を受けつつも冷静な顔で押し返す。

二人はいったん離れると、そのまま見つめあい、再び剣を交えた。

デュオはユーゴにやられた肩の傷が完治していない。

それにさきほどの戦いで右手も傷だらけだ。

心配で、胸が張り裂けそうなほど苦しかった。

「カレン、今のうちに父さんと母さんを…!」

シエルが剣を交えながらだんだんと遠ざかっていく二人を見て叫んだ。

シエルは小走りにより近くにいるウルフにまず近づいていく。

わたしもそれに続こうとしたその瞬間。

横から剣を首に突きつけられ、わたしは立ち止まった。

「おっと。花恋さん、ここでおとなしくしていないとだめだよ……」

目だけでそっと振り返ったわたしの横に、理事長がいた。

小声で囁くように話し、笑う。

シエルはその声を聞いたのか立ち止まると、こちらを振り返り顔をしかめ、悔しそうに目を細めた。