「これ……わたしの親友のサラのよ。間違いないわ」

そうだ。

携帯を見ながらわたしは思い出していた。

サラからの着信だった。

あれは確かにサラの携帯から受けた電話だったのに、出たのは……!

「サラ・キングストン。『キングストン総合病院』の理事長の一人娘。オズワルドが彼女の携帯を手にしていたということは、キングストンは奴の手に落ちた、と見るべきだろう」

心臓がえぐられるようにドクンと高鳴った。

喉が異常な渇きを覚える。

「デュオ…それ、どういう…こと?」

「オズワルドは絶対の自信をもってエマをさらって行った。ウルフの居場所に確信があったんだ。彼女も、彼女の父も、オズワルドに吸血されヴァンパイアに落ちた…そうとしか考えられない。ヴァンパイアになった彼らはオズワルドに忠誠を誓い、ウルフの居場所を教え、冷凍保存を解くかもしれない。やっかいだな…。オズワルドは冷凍保存を解かれたウルフがわずかな命を散らすその前に、ウルフとエマの生き血を奪いガイアを復活させる力を得ようとするはずだ。そして、その後でウルフの目の前でエマを殺す。奴ならきっと、そうする」

オズワルド……!!

エマたちだけじゃなく、サラまでも犠牲にするなんて…!!