「やめるんだ!カレン!!」

鍵の閉まっていたドアを破るようにして、デュオが入ってきた。

今にもわたしの唇がかずちゃんの首に吸い付こうとしていたその時。

わたしの体はかずちゃんから剥がされ、デュオの腕の中にすっぽり入ったかと思うと。

デュオの甘い果実が身動きも取れないくらい力強くわたしの唇を塞いだ。

「…う……!」

甘い甘いデュオのエクスタシーがわたしの中に入ってくる。

デュオはわたしの全身にエクスタシーを送るかのように、深く強く唇を重ねる。

「……ふ……ぅ…」

さっきまで体から溢れるようだったヴァンパイアの力が、人間へと戻っていくように全身から抜けていく。

……すごい量のエクスタシーだ……。

わたしの体はそのエクスタシーに満足したように、ふらふらと力を抜いていくとそのままデュオの腕の中に倒れこんだ。

「デュ……オ……」

わたしは両腕でデュオの腕をつかんでへなへなと膝をついた。

デュオもわたしの前に膝をつくと、その手でわたしの顎をぐいっとあげてわたしの顔を見た。

「……バイオレットの瞳がだんだん黒へと戻っていく…。エクスタシーを得て満足したようだな」

「…デュオ…わたし…完全なヴァンパイアになっちゃったの?……わたし…かずちゃんの血を吸うところだった…!!」

デュオはわたしを強く抱きしめて搾り出すように言った。

「カレンはまだ完全なヴァンパイアじゃない。だがヴァンパイアの血が半分だけ目覚めてからカレンはまだほとんど血を吸っていない。飢えた体は人間の血など全て吸い尽くすだろう……」

「わたし……かずちゃんを殺すところだった……?」

ガクガクと膝が震える。

「カレンは力をコントロールできていないだけだ。君にはウルフの血が流れている。……大丈夫だ、カレン」

「…花…恋……」

いつの間にか、かずちゃんがわたしたちの傍に立っていた。